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キャリア形成プログラム

周産期:産科コース
(産婦人科)


日本の妊産婦死亡率・周産期死亡率・新生児死亡率は世界で最も低いグループ(人口1億人以上の国家では最低)であり、母と子が世界一安全に妊娠、出産、育児をできる国です。それは、地域ごとに総合・地域周産期センターや母体胎児集中治療室(MFICU)、新生児特定集中治療室(NICU)の設置が促進され、周産期医療の充実がなされてきたことによります。
特に大阪では、昭和の時代から『OGCS(産婦人科診療相互援助システム)』『NMCS(新生児診療相互援助システム)』という日本全国に先駆けた優れたシステムを確立し、平成20年に始まった最重症妊産婦受入事業と共に、母と子の危機的状況に際して、常に全力で周産期医療に取り組んでいます。

周産期プログラムでは産婦人科(産科)コースと小児科(新生児科)コースを用意しました。産科も新生児科も、まずはその土台である産婦人科・小児科専門医としての基本的な修練を大阪府内の総合・地域周産期母子医療センター(23施設)を含むプログラムで行って、基幹学会(産婦人科・小児科)専門医資格を取得していただき、その後このネットワークを活用してさらに経験を積み、周産期領域のスペシャリストとなるべくサブスぺ専門医や学位の取得を行うキャリア形成を支援します。

産科プロフェッショナルコース

大学産婦人科学アカデミックコース

OGCS(産婦人科診療相互援助システム)

昭和61年に大阪産婦人科医会が中心となり、大阪府内で高次医療を行う施設が協力し、産婦人科領域の専門的医療を365日24時間態勢で提供する自主組織として設立された。現在総合周産期センター6か所、地域周産期センター17か所を含む36施設が加盟し、産科疾患だけでなく婦人科疾患にも対応している。特に専門的治療が必要な新生児が産まれそうな時にNMCS加盟病院と連携して適切な施設に母体搬送を行い収容する活動を行ってきた。OGCSとNMCS両方の空床情報を一括管理して最適な施設へ搬送する。産科領域でのあらゆる問題が発生した場合、あるいは発生が予想される場合の紹介や搬送のコーディネートを行っている。女性の産婦人科急性腹症の緊急手術が必要な際の搬送や、診断されていない大量性器出血(未診断の悪性腫瘍などのことが多い)などにも対応している。近畿ブロック周産期広域連携体制の中核としての活動も行っている。
母体の生命に関わる状況(産科的ニアミス状態)に対しては、NICUよりむしろ高度救命救急センターとの連携が重要であることから、胎児救急(OGCSが主に担当)に加えて母体救命(OGCSだけでは完結しない状態の時には最重症妊産婦受入事業が担当)システムも稼働している。

NMCS(新生児診療相互援助システム)

昭和51年、新生児医療を専門とする医師たちが自主的にネットワークを作り、新生児専門医療ができない施設で生まれた新生児の状態が悪くなった場合に新生児専門施設へ円滑に収容するためにお互いに助け合うシステム。
早産児、呼吸障害、産まれてはじめて分かった先天性疾患など状態の悪い新生児を医師が新生児用救急車で迎えに行く24時間体制を取っている。現在6基幹施設(総合周産期母子センターに相当)、21協力施設(地域周産期母子センターに相当)が参加し、施設の能力に応じた搬送のため「三角搬送」と言う新生児を他のNMCS入院施設に搬送することもある。
最近は、出生前にリスクの高い母体を、OGCSを介してNICU(新生児集中治療室)のある周産期医療施設に搬送する「母体搬送」が主体となっている。

最重症合併症妊産婦受入事業

妊産婦の高齢化と共に、これまでの大量出血や妊娠高血圧症候群に加えて、脳出血、産褥心筋症、敗血症、外傷などさまざまな病態に即時に対応し、母体の救命を図る体制確立の必要性が出てきた。大阪府が平成20年より、産科と救命救急センターが同時に妊産婦の救命医療に当たることができる施設(現在府内9施設)を指定し、一定の重症度に達する妊産婦を収容する事業を開始した。極めて短時間に治療を行わねばならないため、新生児に関しては適切なNICUに収容するためのNMCSを介した新生児搬送を許容し、母体救命に特化した受け入れ事業である。OGCSからでも、通常の救急隊からでもアクセスできることが特徴である。

大阪府内の周産期医療はこのように各施設がその能力を最大限生かした医療を分担しています。それぞれの施設が無理なく最高レベルの医療を提供するための分業体制を作ってきました。また、これらの活動を行政(大阪府・大阪市)や大阪府医師会が支援してきました。これらの活動を通じて周産期医療に携わる医師たちは常に「お互いの顔が見える」関係を保ち、大学の壁や病院の壁を越えてお互い切磋琢磨して、母と子に安心できる、安全な医療を提供しています。プロフェッショナルコース、アカデミックコースとも周産期専門医(母体・胎児あるいは新生児)の取得を通じて高いレベルの専門性を持つ医師を育成するとともに、特に大学院博士課程コースでは基礎研究などの経験を通じて医療・医学を深く探求し、将来臨床研究の立案・実践を行うことができるような科学的思考を鍛錬します。ぜひ、この周産期医療先進の地である大阪で産科・新生児科のトレーニングを受けてみてください。